「ファクタリングはどんな流れで資金化できるのだろう?」「初めてでもファクタリングで問題なく資金調達できるか不安」という人も多いのではないでしょうか?

ファクタリングは融資と比べて申込や審査の流れが非常にシンプルです。

そのため基本的には初めての人でも問題なく契約できます。

しかし、スムーズに資金調達をしたいのであれば、あらかじめ申込の流れを理解しておいた方がよいでしょう。

契約手続きを当日中にスムーズに終えた場合のみ、最短即日で資金化することができます。

急いでお金が必要なタイミングで確実に現金を手に入れることができるよう、ファクタリング契約の流れについてしっかりと理解しておきましょう。

ファクタリング契約の流れについて徹底解説していきます。

2社間ファクタリングの契約までの流れ

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングの申込〜契約〜入金〜返済までの一連の流れは以下の通りになります。

  1. 商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生
  2. ファクタリング会社へ相談・申し込み
  3. 債権額・債権内容の調査
  4. 取引金額の確定
  5. ファクタリング契約の締結
  6. ファクタリング会社からの振込実行
  7. 売掛債権期日に売掛先企業から申込企業へ代金の払い込み
  8. 申込企業からファクタリング会社への支払い

それぞれのタイミングでポイントになる部分や、、早期資金化のために注意すべき点について詳しく解説します。

①商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生

取引先に商品やサービスを売却した際に現金以外の方法で決済した場合には売掛債権が発生することになります。

売掛債権は「〇〇日後に支払いを受けることができる」という権利ですので、売掛金で売り上げた場合には、せっかく売上があってもすぐに現金を手に入れることはできません。

なお売掛先は貸借対照表で資産として計上されます。

この「売掛金」という資産を売却して資金調達する方法がファクタリングです。

②ファクタリング会社へ相談・申し込み

売掛債権を保有している企業がファクタリング会社に対してファクタリングの申し込みを行います。

ファクタリングの申し込みは電話、インターネット、窓口などから行うことが可能です。

ファクタリング会社の数は非常に多く、手数料も異なります。

相談や申し込みを行う前には、インターネットで「信頼できるファクタリング会社かどうか」という点をあらかじめ確認しましょう。

③ファクタリング会社による債権額・債権内容の調査・審査

ファクタリング会社はファクタリングの申込内容に基づき、売掛債権の金額や債権の内容を調査します。

ここで重視されるのは、売掛先が期日通りに代金を支払うことができるのかという点になり、主に売掛先の財務状況などから売掛債権のリスクを審査します。

また、2社間ファクタリングの場合には、代金が申込企業を経由してファクタリング会社へ入金になります。この際に業況の悪い企業の場合は代金をファクタリング会社へ支払わずに流用するリスクがあります。

そのため2社間ファクタリングでは申込企業の業況も決算書や確定申告書などから審査を行います。

④売却金額の確定

調査や審査の結果、売掛債権のリスクが確定したら、ファクタリングする取引金額や手数料などの条件が確定します。

通常、ファクタリングには掛け目というものが設定され、「売掛債権金額の60%」などと審査によって掛け目が決定します。

例えば500万円の売掛債権を掛け目80%でファクタリングするのであれば、400万円をファクタリング会社が買い取ります。

ファクタリングの手数料もこの時に決定します。

入金額は「売掛債権金額×掛け目ー手数料」となります。

⑤ファクタリング契約の締結

ファクタリング会社が提示した買取金額や手数料に納得することができたら、ファクタリング会社と申込企業でファクタリング契約を締結します。

契約時には会社の実印と印鑑証明書が必要になることが一般的です。

なお2社間ファクタリングでは、オンラインで契約が完結するものも増えています。

オンライン完結の場合には、署名も印鑑も必要ありません。

オンライン上で表示される契約書に電子署名をすることで契約を完結させることができ、非対面で契約が完了するのでファクタリング会社のオフィスなどへ訪問する必要がなく、会社や自宅から契約が完了します。

⑥ファクタリング会社からの振込実行

契約締結後に、会社の口座に対してファクタリング会社から売掛債権を買い取った代金の入金があります。

通常、ほとんどのファクターが契約後にはすぐに振込を行ってくれます。

2社間ファクタリングの場合は、契約までは最短即日で終えることができることから、即日で振り込みを受けることも可能です。

⑦売掛債権期日に売掛先企業から申込企業へ代金の払い込み

売掛債権期日になると、通常と同じように支払企業(売掛先企業)から納入企業(申込企業)へ売掛金代金が支払われます。

2社間ファクタリングでは売掛先企業が契約に関与しないので、売掛先企業は納入企業である申込企業ファクタリングを利用したことを知りません。

そのため、すでにファクタリングによって売却した売掛債権であっても、入金は申込企業に対して行われます。

⑧ファクタリング会社への支払い

売掛債権期日に売掛先から支払われた代金を申込企業がファクターへ支払います。

これによってファクタリング会社は回収が完了し、ファクタリング会社との契約も完結します。

通常は「売掛債権の代金が入金になってから1週間以内に支払う」などと決められています。

売掛先企業から入金があったらすぐに支払うようにしてください。

なお、支払いに遅れるとファクタリング会社が直接売掛先企業へ督促を行うことがあります。

督促によってファクタリングを使用したことが売掛先企業に知られてしまうので、ファクタリング会社への支払いは絶対に遅れないようにしてください。

2社間ファクタリングの3つのメリット

2社間ファクタリングのメリット

2社間ファクタリングは入金まで最短即日完了させることができます。

売掛先企業が契約に関与しないので、ファクタリング会社と申込企業だけの契約で完結するためです。

ファクタリング会社の中には「資金化まで最短30分」と明記されているところもあり、急いでいる時には最適です。

また、2社間ファクタリングは売掛先企業が契約先に関与しないので、売掛先企業にファクタリングを利用した事実を知られる心配はありません。

ファクタリングを利用したことが取引先に知られてしまうと「あの会社は資金繰りが苦しい」などとネガティブに評価されて、今後の取引に悪影響を及ぼすリスクがあります。2社間ファクタリングであれば取引先にファクタリングを利用したことを知られないのは大きなメリットだと言えるでしょう。

また、ファクタリングは償還請求権がないのが基本です。

万が一、売掛債権がデフォルト(回収不能になること)したとしても、その損失はファクタリング会社が負うので、申込企業にデフォルトリスクが及ぶことがありません。

売掛債権には売掛先企業の経営悪化によって不良債権化してしまうリスクがありますが、ファクタリングを利用すればデフォルトリスクも一緒にファクタリング会社へ売却できるのは大きなメリットです。

契約に面談が必要になるファクタリング会社に注意

「最短即日資金化」と多くのファクタリング会社が2社間ファクタリングを広告していますが、急いでお金が必要な場合には、「契約時に面談が必要かどうか」という点を必ず確認しておくようにしてください。

店舗型のファクタリング会社の中には「契約時に面談が必要」と定めている会社が多数存在するためです。

店舗型のファクタリング会社の多くが契約時に面談によって重要事項を説明しています。それだけ説明責任を果たしているということですので安心だという証拠ですが、会社や自宅の近くにファクタリング会社の事務所がない場合には資金化までに時間がかかってしまいます。

「最短即日」という文言を見ると、大手消費者金融カードローンのように手軽に即日資金化できるイメージを持っている人も多いかもしれませんが、ファクタリングの場合には「即日で契約することができた場合のみ」即日の資金化が可能になります。

ただし、コロナ禍以降は店舗型のファクタリング会社もオンライン面談に対応しているところも増えてきたため、オンライン面談に対応しているファクタリング会社や、最初からWEB完結できるクラウド型のファクタリング会社であれば、申込日当日中に契約することは容易です。

スムーズに非対面で契約したい場合には、クラウド型のファクタリング会社を選択するのがおすすめです。

3社間ファクタリングの契約までの流れ

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングの申込〜契約〜入金〜返済までの一連の流れは以下の通りになります。

  1. 商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生
  2. ファクタリング会社へ相談・申し込み
  3. ファクタリング会社による債権額・債権内容の調査・審査
  4. 買取金額と手数料の確定
  5. 申込企業とファクタリング会社がファクタリング契約の締結
  6. 売掛先企業とファクタリング会社がファクタリング契約
  7. ファクタリング会社が売掛先企業へ請求金額の確認
  8. 申込企業がファクタリング会社へ請求金額を通知
  9. ファクタリング会社と売掛先企業との請求金額の最終確認
  10. ファクタリング会社から申込企業へ入金
  11. 売掛先企業からファクタリング会社に期日通り売掛金が支払われる

3社間ファクタリングは契約当事者に売掛先企業が入るので、契約プロセスが2社間ファクタリングよりも複雑になるという点、売掛債権の期日になるとファクタリング会社に対して売掛先企業が直接代金を支払うので申込企業は何もしなくてよいという点が特徴です。

3社間ファクタリングのそれぞれのタイミングでのポイントや注意点について詳しく解説していきます。

①商品の売却・サービスの提供代金によって売掛債権が発生

取引先に対して商品やサービスを販売したことによって、売掛金が発生します。

売掛金は資産に分類されますが、期日になるまで資金化できない資産ですので、これを資金化したい場合にはファクタリングを利用してます。

②ファクタリング会社へ相談・申し込み

売掛債権を保有する企業がファクタリング会社に対して3社間ファクタリングの相談や申し込みを行います。

3社間ファクタリングでも、電話・インターネット・店頭窓口からの申し込みは可能です。

3社間ファクタリングを取り扱っている会社は、WEB完結できる会社は少なくなっています。

対面式の独立系のファクタリング会社か、銀行系のファクタリング会社が主に3社間ファクタリングを取り扱っているので、まずは複数のファクタリング会社へ相談して相見積もりを取るとよいでしょう。

③ファクタリング会社による債権額・債権内容の調査・審査

ファクタリング会社へ申し込みを行うと、ファクタリング会社が請求書や契約書などから債権の金額や債権の内容、売掛先の与信状況を調査します。

3社間ファクタリングは売掛債権の代金が申込企業を経由しないので、審査のウェイトは申込企業よりも売掛先企業の方が圧倒的に高くなります。

この際に売掛先企業が赤字や債務超過で業況が悪い場合には審査に通過できないことも少なくありません。

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングと比較して手数料が低く、ファクタリング会社が取れるリスクも低くなるため審査は時間をかけて行います。

審査には3日〜1週間程度の時間がかかるものを考えておきましょう。

④買取金額と手数料の確定

審査の結果、買取金額、掛け目、手数料が確定します。

3社間ファクタリングにおいては2社間ファクタリングよりも掛け目が高くなり、手数料は低くなる傾向があり、手数料の相場は2%〜8%程度と低めです。

債務者が公的機関である診療報酬債権などでは1%以下の手数料となることも珍しくありません。

2社間ファクタリングと比較して3社間ファクタリングのリスクは低いので、より多くの金額を低い手数料で買い取ってもらうことが可能になります。

⑤申込企業とファクタリング会社がファクタリング契約の締結

審査に通過し、ファクタリング会社が提示した条件に納得ができたら、まずは申込企業とファクタリング会社で契約を締結します。

なお、2社間ファクタリングでは非対面で契約できるファクタリング会社も多いですが、3社間ファクタリングでは面談が基本になります。

3社間ファクタリングでは即日資金化は不可能ですので、契約も面談によって丁寧に説明を受けるのが一般的です。

⑥売掛先企業とファクタリング会社がファクタリング契約

3社間ファクタリングでは売掛先企業ファクタリング会社も契約を締結しなければなりません。

3社間ファクタリングは売掛先企業がファクタリングを行うことに同意し、売掛債権の期日になったら売掛先企業がファクターに対して支払いを行うということの理解を得られない限りはファクタリングを進めることが不可能です。

そのため売掛先企業がファクタリングの利用に対して理解がある売掛債権を選びましょう。

3社間ファクタリングで売掛先企業にファクタリングを利用することを必ず知られてしまいますし、売掛先に「資金繰りが苦しい」ということが悟られてしまうためです。

ファクタリングを利用したことを知られても関係性が崩れない企業に対する売掛債権を選択してください。

この点が3社間ファクタリング最大の注意点です。ファクタリングや自社の資金繰りに対して理解を得られる企業に対する売掛債権を保有していないと3社間ファクタリングは利用することは難しくなってしまうかもしれません。

⑦ファクタリング会社が売掛先企業へ請求金額の確認

契約を締結すると、ファクターが売掛先企業へ請求金額を確認します。

「○月○日期日のA社に対する売掛債権〇〇円がありますか?」というように確認を行い、申込企業が架空の債権でファクタリングを利用していないかどうかということを確認します。

⑧申込企業がファクタリング会社へ請求金額を通知

そして、申込企業もファクタリング会社に対して売掛債権の金額を通知します。

「○月○日期日のB社に対する売掛債権〇〇円がある」ということを通知することで、債権者、債務者双方から金額や日付を確認することができます。

これによって、「間違いなく売掛債権が存在する」という確認が取れたため、契約が完了することになります。

⑨ファクタリング会社と売掛先企業との請求金額の最終確認

さらに、ファクタリング会社と売掛先企業で、最終的にもう一度請求金額を確認します。

「期日になったら、取引先ではなく、ファクターに対して代金を支払ってください」という内容です。

間違いなく、期日通りに売掛債権代金をファクターが回収できるように最終確認を行います。

⑩ファクタリング会社から申込企業へ入金

ここまでの確認作業が終了すると、ファクタリング会社から自社に対して売掛債権金額の入金が行われます。

入金額は「売掛債権の額面金額×掛け目ー手数料」です。

申し込みから入金まで1週間程度の時間がかかるものと理解しておきましょう。

なお、ファクタリング会社と売掛先企業の契約や交渉が遅れている場合には、入金までに2週間以上の時間がかかることも珍しくありません。

3社間ファクタリングは2社間ファクタリングと比較して契約までのプロセスが非常に複雑ですので、ある程度時間的な余裕を持って契約手続きを進めるようにしてください。

⑪売掛先企業からファクタリング会社に期日通り売掛金が支払われる

売掛先企業は売掛債権の期日になったらファクタリング会社へ入金を行います。

そのため、3社間ファクタリングにおいては、売掛債権期日に自社は何もする必要がありません。

請求や入金確認は全てファクタリング会社が行ってくれるので、3社間ファクタリングは売掛金の請求や管理などの事務をアウトソーシングできるというメリットがあります。

3社間ファクタリングは入金まで1週間程度必要

3社間ファクタリングのメリット

3社間ファクタリングはファクタリング会社が直接売掛先企業へ請求できるので、2社間ファクタリングと比較してファクタリング会社のリスクが低くなっています。

そのため手数料が2%〜8%程度と低いのが大きなメリットです。

またあらかじめ売掛先企業とファクタリング会社が契約するので、なので、二重譲渡のリスクがありません。

そのため、債権譲渡登記(二重譲渡された際に先の譲渡を受けた者が二重譲渡先に対して、先に譲渡を受けていると対抗するための登記)が不要です。債権譲渡登記には10万円程度の登記費用がかかるので、3社間ファクタリングでは高額な登記費用負担がない点もメリットです。

なお債権譲渡登記ができるのは法人だけです。そのため「債権譲渡登記が必須」と決められているファクタリングを個人事業主は利用できません。

一方、債権譲渡登記が不要な3社間ファクタリングであれば個人事業主でも利用することが可能です。

ただし、最近では2社間ファクタリングでも債権譲渡登記が不要になっているファクタリング会社も多いので、2社間ファクタリングでも個人事業主が利用できる会社は多数あります。

また、申込企業に代金が経由しないので、申込企業に信用がなくても売掛先企業に信用さえあれば高い確率で資金調達できます。

2社間ファクタリングのように高額な手数料を設定できず、契約プロセスも複雑なので3社間ファクタリングを取り扱っているには店舗型の独立系ファクタリング会社か銀行系ファクタリング会社などの信頼できる企業ばかりです。

ファクタリングを偽装して実質的な貸付を行う違法業者が存在しない点も3社間ファクタリングのメリットでしょう。

3社間ファクタリングは入金まで時間がかかる点に注意

3社間ファクタリングは入金までに時間がかかってしまう点に注意しなければなりません。

ファクタリング会社によって異なりますが、3社間ファクタリングは最短でも入金までに1週間程度の時間がかかってしまいます。

契約には対面が必要ですし、売掛先企業の同意を得なければ契約を完結させることができないためです。

銀行系のファクタリング会社はじっくりと審査をする傾向があるので2週間以上の時間がかかることも珍しくありません。

ただし3社間ファクタリングで入金までに時間がかかるかどうかは売掛先企業の対応次第という側面もあります。

売掛先企業が協力的な場合には、1週間よりも早く入金になる可能性もあります。

3社間ファクタリングは売掛先の同意が必要になるので、売掛先がスムーズに同意し、ファクターと売掛先企業の契約がスムーズに進むかどうかという点が非常に重要になります。

ファクタリングに対して理解のある企業に対する売掛債権をファクタリングするようにしましょう。

ファクタリングの利用に必要な書類

ファクタリングを利用するために必要になる書類は、ファクタリング会社によって異なりますが、基本的には次のような書類を用意しておけば、審査から契約に至るまで必要書類が不足することはないでしょう。

  • 売買契約書・基本契約書
  • 本人確認書類
  • 請求書
  • 入金が確認できる通帳の写し
  • 決算書・確定申告書・試算表
  • 商業登記簿謄本
  • 印鑑証明書

一般的には店舗型のファクタリング会社であれば、上記の書類全ての提出を求められます。

一方、オンライン完結型のAIファクタリングやクラウドファクタリングであれば「本人確認書類」、「請求書」、「入金が確認できる通帳の写し」の3点のみを提出すればよい業者も多数あります。

必要な書類はファクタリング会社によって異なりますし、利用回数によっても異なるので、あらかじめどんな書類が必要になるのかを把握しておきましょう。

また3社間ファクタリングでは、申込企業だけでなく売掛先企業も様々な書類の提出が必要になるので、売掛先企業の手間になってしまいます。

自社の資金繰りのために売掛先企業は書類を用意しなければならないため、3社間ファクタリングに利用する売掛債権はファクタリングについて理解のある企業に対する売掛金の方がよいでしょう。

ファクタリングの契約書で確認すべきこと

ファクタリング契約の流れの中では、ファクタリング会社と契約書を締結します。

この際には契約書内で次の8つのポイントを確認するようにしてください。

  • 償還請求権がないか
  • 債権譲渡通知がないか
  • 債権譲渡登記があるか
  • ファクタリングの手数料はいくらか
  • 担保の取得はあるか
  • 報告義務
  • 損害賠償、違約金
  • ファクタリング契約の解除

契約書の内容を確認せずに契約してしまうと、ファクタリングを偽装して実際には貸付を行っている違法業者と取引をしてしまう可能性もあるので注意が必要です。

ファクタリングの契約書で確認しておきたい8つのポイントを詳しくご紹介していきます。

償還請求権がないか

契約したファクタリングに償還請求権があるかないかということを必ず確認しましょう。

償還請求書権とはファクタリングによって売却した売掛債権がデフォルト(支払われなかった)場合に、ファクタリング会社が申込企業企業に対して代金を請求できる権利です。

償還請求権ありのファクタリングは実質的には貸付と同じですので、貸金業者登録なしで償還請求権ありのファクタリングを取り扱っている業者は違法業者である可能性が高いと言えます。

ファクタリングの手数料が高い理由は、ファクタリングによって売却した売掛債権がデフォルトした場合のリスクプレミアムとしての意味合いがあるためです。

ファクタリングは償還請求権なしで行われるのが基本です。

契約書に「償還請求権あり」とされているファクタリングは絶対に契約しないようにしましょう。

債権譲渡通知がないか

債権譲渡通知とは、債権が第3者へ譲渡されたことを債務者に対して知らせることです。

ファクタリングで言えば、売掛債権が申込企業からファクタリング会社へ移ったことを売掛先企業へ知らせることを指します。

債権譲渡通知が行われると、売掛先企業に対してファクタリングを利用したことが知られ「資金繰りが苦しい」などとネガティブに評価されてしまうリスクがあります。

2社間ファクタリングは債権譲渡通知なしで行われ、売掛先に秘密で利用できる資金調達方法です。

売掛先企業に秘密で取引したい場合には、債権譲渡通知なしのファクタリングを契約しましょう。

債権譲渡登記があるか

ファクタリングの契約書に債権譲渡登記があるかどうかも確認しましょう。

債権譲渡登記とは、金銭債権の譲渡について債務者以外の第三者に対する対抗要件を備えるための登記制度です。

分かりやすく言えば、すでにファクタリングによってファクタリング会社A社へ譲渡した売掛債権を別のB社へも二重譲渡した場合、A社はB社に対して「すでに当社が譲渡された債権だ」と主張することができます。

債権譲渡登記があれば二重譲渡を防げるのでファクタリング会社は安心です。

しかし、債権譲渡登記には1件につき7,500円の登録免許税と、司法書士報酬が数万円発生し、合計で10万円程度もの高額な費用が発生します。

最近は債権譲渡登記なしで取り扱うファクタリング会社も多いので、できる限りコストを抑えてファクタリングを利用したいのであれば債権譲渡登記なしのファクタリングを選択しましょう

ファクタリングの手数料はいくらか

ファクタリングの手数料も必ず明記されているかを確認するようにしてください。

手数料が記載されていないと、入金の際に法外な手数料が引かれたり、後から高額な手数料を請求されるリスクがあるためです。

また、手数料は次の相場の範囲内であることも必ず確認するようにしてください。

  • 2社間ファクタリング:10.0%〜20.0%
  • 3社間ファクタリング:3.0%〜8.0%

2社間ファクタリングで20%を超えるような手数料を設定する業者は、優良業者とは言えませんので、基本的には取引を避けた方がよいでしょう。

担保の取得はあるか

不動産などを担保として要求するようなファクタリングも絶対に契約してはなりません。

ファクタリングは売掛債権の売却ですので、担保が必要になるはずはありません。

担保を要求する時点で実質的な貸付と同じですので、契約書を確認し、担保の設定があるファクタリング会社とは取引しないようにしましょう。

同じ理由で連帯保証人を求めるようなファクタリングとも取引してはなりません。

報告義務

報告義務とは、売掛先企業に何かの動きがあった場合、その動きについてファクタリング会社に対して報告しなければならないというものです。

契約者を確認し、報告義務が明記されている場合には、売掛先企業に経営悪化の予兆などの動きがあった際に報告を怠らないようにしましょう。

損害賠償、違約金

契約書に損害賠償や違約金が設定されている場合には、どんな条件で賠償金や違約金の支払いが必要になるのか、あらかじめ確認しましょう。

ただし、基本的にはファクタリングの手数料は、不測の事態が起きた際に生じる損害なども加味されて設定されていると解されています。

損害賠償や違約金を手数料とは別途設定する業者は、優良業者だとは言えないので取引しない方が無難です。

ファクタリング契約の解除

ファクタリング契約の期間中に契約解除となる条件が契約書には明記されています。

一般的には二重譲渡や架空の売掛債権で資金調達した場合に契約が解除されてしまいます。

契約解除の条件はファクタリング会社によって異なるので、どのような条件でファクタリング契約が解除となるのか、しっかりと確認しておきましょう。

申込から契約までの流れがスムーズがなおすすめファクタリング会社5選

スムーズに最短即日で資金調達したいのであれば、申込から契約までWEBで完結でき、最短即日入金になる2社間ファクタリングがおすすめです。

スムーズに契約でき、評価の高いファクタリング会社は次の5社です。

  • QuQuMo(ククモ)
  • ビートレーディング
  • ベストファクター
  • PAYTODAY
  • OLTA

それぞれのファクタリング会社の特徴を詳しく解説していきます。

QuQuMo

種類 2社間ファクタリング
調達可能金額 下限・上限なし
手数料 1%~14.8%
入金スピード 最短2時間
手続き方法 オンライン
公式サイト https://ququmo.com/

QuQuMoはオンライン専用のファクタリング会社です。

申込から契約まで全てオンラインで完結でき、資金化までは最短2時間というスピードです。

契約手続きはクラウド契約サービスの、クラウドサインで行うので契約書への署名も郵送もFAXも不要で非常にスムーズに完結します。

手数料の上限は14.8%ですが、リスクの低い売掛債権であれば10%未満の手数料で利用することも可能です。

ビートレーディング

種類 2社間ファクタリング
3社間ファクタリング
注文書ファクタリング
調達可能金額 制限なし
手数料 2社間ファクタリング:4%~12%
3社間ファクタリング:2%~9%
入金スピード 最短2時間
手続き方法 オンライン
公式サイト https://betrading.jp/

メディアにもたびたび登場する店舗型のファクタリング会社として実績・口コミとも業界トップレベルのファクタリング会社です。

累計で4万社以上、1,000億円以上の取り扱い実績があるので「どのファクタリング会社が安心なのか分からない」という方にも安心です。

基本は対面契約ですがオンライン契約にも対応しており、遠方の方もスムーズな流れでファクタリングを利用できます。

条件手数料は12%とリーズナブルですので低コストで資金調達したい人にもおすすめです。

ビートレーディングは独立系の大手ファクタリング会社として3社間ファクタリングの取り扱いもあります。

「取引先の同意を得られるから低い手数料で利用したい」という方は、ビートレーディングで3社間ファクタリングの利用を相談するのもよいでしょう。

また、仕事を開始する前の注文書を売掛債権をみなして買い取ってくれる「注文書ファクタリング」も実施しています。

注文書ファクタリングは仕事に着手する前に、注文書を資金化できるので、発注による増加運転資金を調達することができます。

これまでは「こんなに大きな仕事が来ても、ウチには資金がないから無理だ」と諦めていた会社も、注文書ファクタリングを利用すれば受注できるようになります。

ビートレーディングはファクタリングの種類が非常に幅広いので、まずは相談してみましょう。

ベストファクター

ベストファクター

種類 2社間ファクタリング
3社間ファクタリング
調達可能金額 30万円〜1億円
手数料 2%〜20%
入金スピード 最短1日
手続き方法 面談
公式サイト https://bestfactor.jp/

ベストファクターは非対面では契約できない店舗型のファクタリング会社です。

ただし、担当者の対応や知識などについての口コミが非常に高いので「信頼できる担当者と顔を合わせて相談したい」という方におすすめです。

担当者は金融全般に対する知識が高いので、ファクタリングだけでなく財務全体についてのアドバイスを受けることができるでしょう。

ただし、契約には面談が必要ですので、早く資金調達したい方はベストファクターのオフィスまで訪問しなければなりません。

遠方の場合には出張も行っていますが、その場合には資金調達までに時間がかかってしまいます。

時間に余裕がある時に利用したいファクタリング会社です。

また、ベストファクターも取り扱っているファクタリングの種類が多く、3社間ファクタリングや診療報酬ファクタリングにも対応しています。

さらにBEST PAYという注文書ファクタリング専門のサービスも展開しているため、高額の受注があった場合には活用しましょう。

PAYTODAY

種類 2社間ファクタリング
調達可能金額 10万円〜上限なし
手数料 1%〜9.5%
入金スピード 最短30分
手続き方法 オンライン
公式サイト https://paytoday.jp/

PAYTODAYはAIファクタリングと言って、審査をAIが行うファクタリング会社です。

そのため、審査には時間がかからず最短30分で資金化することができます。

10万円からの少額買取に対応しているので、売上規模が小さな個人事業主やフリーランスの方にもおすすめです。

また、上限手数料は9.5%と非常に低いので、できる限りコストを抑えて資金調達したい方にも向いているファクタリング会社です。

運営会社であるDual Life Partners株式会社は不動産販売が本業であり、海外不動産の販売を行っています。

また、貸金業者登録を行っており、金融庁の非常に厳しい基準に基づいて業務運営を行っている信頼できる会社です。

ファクタリング会社の中で貸金業者登録を行っている会社はほとんど存在しないので、PAYTODAYは安心できるファクタリング会社だと言えるでしょう。

OLTA

種類 2社間ファクタリング
調達可能金額 下限・上限なし
手数料 2%~9%
入金スピード 最短即日
手続き方法 オンライン
公式サイト https://www.olta.co.jp/

クラウド型のファクタリング会社として最も有名なのがOLTAです。

地方銀行と提携したり、新生銀行と提携してファクタリングサービスを展開するなど、銀行との提携を深めています。

銀行は信頼できる会社としか提携しないので、OLTAはファクタリング会社の中で圧倒的に信用度が高い会社です。

契約は全てオンライン上で完結するので日本全国どこからでも最短即日入金を受けることができます。

また上限手数料は9%と業界最低水準ですので、コストを抑えてファクタリングを利用したい方にもおすすめです。

ファクタリング契約までの流れでよくある質問

契約時に必要な書類を教えてください
契約時に必要な書類は以下のような書類です。
商業登記簿謄本・印鑑証明書
決算書や確定申告書3期分
売掛企業先との基本契約書
売掛先からの入金の確認ができる通帳
個別契約書
などで、印鑑証明書以外の書類は審査の際に必要で、印鑑証明書は契約時に必要になります。
契約手続きは必ず対面で行わなければなりませんか?
オンライン上で契約手続きを完結することができるファクターはごくわずかです。
基本的には契約時にはファクターと面談によって契約する必要があるので、ファクターの事務所まで訪問する必要があります。
近くにファクターの事務所がない場合には即日で資金調達することは難しいでしょう。
3社間ファクタリングをスムーズに進める方法を教えてください
売掛先からの同意をスムーズに得ることです。3社間ファクタリングは売掛先さえファクタリングに協力的であれば手続きはスムーズに終了します。
仲のいい会社からの売掛債権をファクタリングして、社長に直接「ファクタリングに協力してほしい」などと頼むなど、売掛先の同意取得に時間がかからない方法でファクタリングするようにしましょう。
個人事業主は2社間も3社間も利用可能でしょうか?
個人事業主は2社間ファクタリングを利用できないファクターも存在します。
2社間ファクタリングでは基本的に必要になる債権譲渡登記という手続きは、法人しか行うことができないためです。
そのため、2社間ファクタリングは法人のみしか取り扱っていないというファクターは多数存在します。
最近は、債権譲渡登記なしで手続きし、個人事業主でも2社間ファクタリングに対応してくれる業者も増えてきましたので、個人事業主で2社間ファクタリングを希望する場合にはそのような業者と取引するようにしましょう。

まとめ

ファクタリングの手続きは基本的には売掛債権が発生したら、ファクタリング会社へ申し込みを行い、審査通過後に契約するだけです。

3社間ファクタリングでは、申込企業とファクタリング会社の契約に加えて、売掛先企業とファクタリング会社の契約が必要になるので契約に時間がかかります。

なるべく早く資金調達したいのであれば2社間ファクタリング、時間がかかっても低い手数料でファクタリングを利用したいのであれば3社間ファクタリングを選択するのがよいでしょう。

ファクタリングの手続きをスムーズに終えるためには、必要書類をもれなく用意することと、スムーズに契約手続きを終えることが大切です。

近くにファクターの事務所がないという人は、オンライン上で契約を完結させることができるようなファクタリング会社へ申し込むようにしましょう。